2022年度東京農工大編入試験 知能情報システム工学科 電子情報工学コース 学力 編入体験記

前回までのあらすじ

ギリギリの成績で農工大の推薦を受けるも、不合格となってしまった・・・

迫りくる学力試験、さてどうなる・・・!?

志望理由

なぜ農工大の存在を知っていたかというと中学生のころ富〇急ハイランドに行く途中の電車から農工大が見えたからである。自分のやりたい研究があり、学生のレベルもかなり高い。専門科目が受験で使え、就職面もよいうえ、立地が良くて家から通える(あと女子の比率が高い)といういいことずくめの大学なので志望しない理由がなかった。

試験勉強について

試験勉強のスケジュールについては「編入勉強の方法と使った参考書」の方を参照してください。過去問は全科目5年くらいやりました。あとは長岡技大の専門科目と農工大の専門科目は似た部分があるので長岡技大の過去問もやって出題パターンを予測しました。

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試験前日

寮の欠食届を出し忘れたので夕食を寮で食べてからホテルに向かいました。20時くらいになれば金曜日じゃないから帰宅ラッシュはさほどひどくないだろうと考えていましたが、予想に反して激混みだったのでラッシュが嫌いな人は早めに現地入りしましょう。

宿泊先は推薦入試の時と同じホテルメッツ武蔵境に泊まりました。21時頃にホテルにつき、翌日の準備をした後24時ごろに寝ました。

試験1日目

朝6時半起床。朝食は駅の蕎麦屋でゲン担ぎの意味も込めてかけそば&ミニかつ丼セットを食べましたが、試験当日の朝食くらいは胃腸にやさしいものにしましょう。

朝食後に電車で農工大に向かいました。筑波大入試の日程が近いから例年より受験者は少ないだろうと読んでいたのですが、想定以上の受験者の数に驚きました。

 

数学

大問1の偏微分による極値問題は毎年出ていますが、年々狂暴化しているので我々も狂暴化していく必要があります。私の解答があっているならば、今年の極値問題は原点で極値をとるという答えになりましたが、原点で極値をとるのになかなか気付けなかったのでここで時間を使ってしまいました。

 

大問2は毎年極座標変換を使う二重積分の問題が出ますが、今年は広義積分が1問と極座標変換ではない変換を行う二重積分の問題が出ました。二重積分の問題はどこかで見た問題なのですぐに解けましたが、広義積分の問題は解き方が思いつかずに後回しになり、最終的に置換積分を使う問題だったにも関わらず8分で解く羽目になりました。

 

大問3は逆行列固有値固有ベクトルを求める問題でした。3×3の逆行列の求め方を忘れてしまっていたため、掃き出し法を使う羽目になり、ここでも時間を潰してしまいました。固有値についても、計算ミスがあり何度も解いて時間を溶かしてしまった。

 

大問4は二階微分方程式の解を求める問題でした。出来たつもりですが、解に分数とかが出てきたうえ見直ししていないので自信は無いです。

 

計算スピードの向上と基本を押さえることを怠ってしまっていたことが裏目に出てしまいました。

出来としては8~10割。

 

英語

英語は過去問が公開されていないため戦々兢々としていたが、実際は大したことないと感じました。

大問1は大雑把に言うとイギリスの教育事情の話でした。共学化とか、女子の方が学力が高いとか、女子は理系科目を大学入試共通テストで選択しないとか、イギリスでは勉強ばかりしている奴は人気がないとか。

大問1の1問目の日本語訳はargueの意味を忘れるという失態を犯すも、上手く誤魔化して翻訳しました。あとは簡単な選択問題であったので多分あっているはずです。

 

大問2は通信制大学の話でした。これも選択なのであまりミスはしていないと思います。

最後に英作文が出ましたが、50語しか書けないので深い内容は書けません。今年のテーマは「オンライン授業に対する対面授業のメリット」でした。私は寝ている学生を起こしやすい点と対面授業で人と会うようしていた方が精神的に良いという点について書きました。前者についてはふざけているのではないかと思うかもしれませんが、実際のところは英語で書くための語彙力が足りず、そういったテーマしか書けなかったためです。あとはまあ理にかなったことを書いておけば点数をくれるだろうという考えからこういったことを書きました。

出来としては7~8割程度。

 

ここで昼休みになりました。さすがに今回はゆで卵は食べてないです。

物理

物理は力学と電磁気が出ました。募集要項を見ると波動と熱力学からも出るということになっていますが、ここ15年物理で波動と熱力学が出た事は無いです。

大問1は力学の問題でした。ここ何年かは慣性モーメントの問題が出ていますが今年は野球のバットの慣性モーメントの問題(偏心衝突の問題)でした。

運動量の式などを答えていく形式で、力学が苦手な私はとても焦りましたが、よく見ると解答に使える記号が限定されていたためある程度答える事が出来ました。しかし、最後の2問は時間の都合上考えられなかったため見捨てました。

 

大問2は電磁気の問題でした。一様な密度で帯電した円盤がつくる電界・電位を求める問題と一様な密度で帯電した円柱がまわりに作る電界を求める問題が出ました。一様な密度で帯電した円盤がつくる電界は解けましたが、電位は求め方を忘れたため近い形は書けましたが間違えてしまいました。

一様な密度で帯電した円柱がまわりに作る電界を求める問題は、最初問題文には円柱が円筒と誤って記載されていて後で訂正されましたが、そもそも問題文の図的に円柱として解いていた私には全く影響無かったです。円柱といっても、円柱の直径が小さく長さが無限大であったため無限長導線に電荷が帯電しているのと同じだと考えて問題を解きました。

出来は物理全体で7~8割程度。

 

 

これで1日目は終了です。

1日目の試験終了後は吉祥寺にラーメンを食べに行きました。“濃厚”つけ麺を注文するといううざいほどの農工大への執着心を店主に見せつけました。女性関係のようにドロドロでおいしかったです。

1日目の夕食後は、ちょっとは次の日の専門科目の勉強をしましたが、あまり頭に入らなかったため中断してドラゴンボールブロリーMADを24時くらいまで見ていました。ベジータブロリーに岩盤に叩きつけられるシーンは感動しました。でも受験前にベジータが「もう駄目だ、おしまいだ」なんて言ってる動画を見るとメンタルがやられるかもしれないのでブロリーMADは見ない方が良いのかもしれません。そのあと普通に寝ました。

試験2日目

2日目も朝6時半くらいに起きました。朝食は蕎麦屋ではなくホテルの1階のカフェで朝食を取った後、農工大へ向かいました。

専門科目

専門科目は必選択の計算機基礎と選択問題の電気回路と電磁気を解答しました。ちなみに電気回路と電磁気の代わりに数理情報工学論理回路を選択することも可能ですが、電子情報工学コース志望なのに数理情報工学論理回路を選択したり、逆に数理情報工学コース志望なのに電気回路と電磁気を選択して解答した場合第一志望のコースに合格することができるかどうかは不明です。

 

計算機基礎は、去年はビット計算やバイト数、アクセス時間エントロピーを求める問題が出たりしましたが、今年はビット計算と集合、確率の問題が出ました。集合に不安があるが、多分ほぼあっていると思います。

電気回路は回路の解析、トランスの等価回路の問題が出ました。回路の解析は電気回路の本質を理解していれば簡単に解ける問題でした。トランスの等価回路の問題はそもそも等価回路がわからないと解けない面倒な問題でした。最後に計算量が多い問題が出ましたが時間が無くて解け切りませんでした。

 

電磁気学は電源につないだ並行導線に対して垂直になるように棒状の導体を置く問題でした。全体的に簡単ですが、最後に力学の知識を使う多少ひねった問題が出ました。

専門科目全体の出来は7~8割程度。

 

午前中は専門科目のみで、このまま昼休みになりました。

午後は面接で、面接終了後各自帰宅になります。

面接で聞かれたことは、

1.志望動機

2.卒業研究の内容について

3.第一志望の大学はどこか?

4.第二志望のコース(数理情報工学コース)での合格になってもうちに入学するか。

の4つでした。面接時間は5分程度です。

 第一志望の大学を聞かれたとき、聞き間違えて滑り止めの大学を答えてしまいましたがそれ以外の質問は特に何も起こりませんでした。行きたい研究室を聞かれなかったのが意外でしたが、志望動機でやりたい研究内容を詳しく言ったため聞く必要が無かったのかと思います。

農工大は合格している人には深く聞き、不合格の人にはそこまで時間をかけて面接しないという噂があったので面接終了後とても不安な気持ちになりました。今思えばコロナ対策で面接時間を短くしたのだと思います。

不安な気持ちでしたが東京から帰る前にお台場で食べたラジオ焼きはおいしかったです。ラジオ焼きに興味がわいた人は調べてみてください。

合否

合格していました。高専に来るときは推薦で来たのでろくに受験勉強をしておらず、期間が短いとはいえ今回が人生初の受験勉強だったので第一志望に受かった時の喜びはとても大きなものでした。研究室内で合格発表を見た後、発狂していたらしいですけどよく覚えていません。

受験した感想

農工大の周りは宿泊施設や飲食店がなく、駅前にコンビニと農工大のイメージに合わせるためにある?精米所がある程度です。あとは住宅街とちょっと畑があります。ですが2,3駅電車で移動すれば三鷹や吉祥寺に行けるのでそこはあまり気にする必要は無いと思います。

東京農工大の英語は英作文が出ると心配している人もいるかもしれませんが、50語しか書けないうえ、とても書きやすいテーマであるためあまり心配する必要は無いです。また、英文についてはTOEIC450点レベルの英語力があればある程度は理解できる内容なので過去問が公開されていないからと言って恐れる必要はありません。ただし、TOEICとは形式が違うため、英語は苦手だけどTOEICのコツを掴んで5~6割取れましたという人は少し難しく感じるかも知れません。

知能情報システム工学科の電子情報工学コースは内部生のコース振り分け時に人気がないそうです。確かに情報系の研究室が多めなのに電気電子メインで学ぶ電子情報工学コースに入ろうとする人は稀な気がします。特に私が受験した年には、農工大の内部生が電子情報工学コースから数理情報工学コースに移るために高専生たちと一緒に編入試験を受け、農工大退学農工大編入と話題になっていました。こちらの記事ですね。

kobaryo222912.hatenablog.com

内部生の人気が低いためか、電子情報工学コースは多くの編入生を受け入れているおり、数理情報工学コースと電子情報工学コース合わせた知能情報工学科全体の倍率は2倍程度になっております。電子情報工学コースでも研究室配属時はコース関係なく選べるらしいので電気系が出来るのであれば情報系の人がこちらのコースを受験するのもいいかもしれません。個人的には情報系については豊橋技科大より合格しやすいと考えているので、情報系の方で筑波などを目指している方は物理も対策していれば農工大を滑り止めに考えることが出来ると思います。

農工第一志望の人にアドバイスするならば、農工大は旧帝の滑り止めもそれなりにいるので、農工第一志望の人は旧帝志望の人と渡り合えるように対策する必要があります。ただ、農工大というバトルフィールドを良く研究すれば、旧帝志望相手でも農工大というバトルフィールド上では優位に立てる可能性は十分あります。農工行きたいけどレベルの高い相手と戦うのが怖いと思う人がいるかもしれませんが、是非挑戦してみてください。